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違う、そんなはずない。
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自分でも分かってるんだろう。
お前は不燃ごみと一緒なんだ。
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違う、絶対違う。
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さっさと回収されて消えちまえな!
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違う!
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03死にたい0_&
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はっとして目が覚めた、心臓がどくどくと波を打っている、息苦しい、喉が腫れてひりひりする、頭が重い、眩暈がする。
何かに押し潰されそうな圧迫感に慌てて目を瞑る。
また朝がきってしまった。
恐る恐る辺りを見回すとそこは変りばいのしない自分の部屋。
布団の中でじっとしていると、いつものように悪寒が走る。
震えが止まらない。
吐き気を催してトイレへ向かうが、思うように足が進まない。
体を引きずるようにして、やっと辿り着くと、今度は貧血でしゃがみ込んでしまった。
このどうしようもない苦しみの中で考える。
夕べも眠れなかった。
やっと眠りかけたと思っても、何かに追われるように目を覚ます。
どうせ同じ一日が始まるだけなのに、もがき苦しみ、疲れ果てて眠る毎日を繰り返すだけなのに。
それでも朝はやって来る。
仕事にはもう行っていない、逃げるように会社を辞めた時、これでもう外に出なくていい、誰にも会わずに済むだと思った。
しかし、日を追うことに、今度は生活不安に脅えるようになる、僅かな蓄えが底をついた時、そこにはもう自分の未来は存在しない、絶望だけが待っている。
死にたい。
思わず口をついて出る言葉。
これさえもいつものこと、でも心底思う。
楽になりたいと。
OMG.64DX.
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04異変!
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今思えば、最初に自分の体に異変が起こったのは、十年前のことになる。
当時の僕は社会人になって、また数年足らずの若僧に過ぎなかった。
しかし、若いがゆえに、体力気力共に充実した日々を送っていた。
自分に自信があった。
その僕が仕事上で大きな壁にぶちあったり、ストレスを溜めて体調不良を訴えた。
近所の内科に通っていたが、具合は日に日に悪くなっていく。
喉が腫れあがり、頻繁に貧血を起すようになった。
耳鼻科にも通ったが、具合は一向によくならない。
半年も経った頃、さすがに内科の医師に紹介状を書いてもらって、遠方にある総合病院を訪れた。
そこでくだされた診断結果は、自律神経失調状態。
失調状態って何だ。
医師の説明によると、体の機能を司る神経が正常に保たれず、それが肉体的に障害を事を、自律神経失調症と言い。
僕の状態はその一歩手前にあると言うことだった。
失調症でなくて良かったと言う安堵の思いと、総合病院で処方してもらった薬で、体調がすぐさま回復へ向かったことから、その後僕はいつもの自分に戻ったつもりでいた、そしていつしか病気のこともすっかり忘れてしまった。
これが鬱病の始まりとも知らずに。
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元気になった僕が、それまでの遅れを取り戻すように、必死になって仕事に打ち込んだ。
トラブルは経験を積めば回避できる,ストレスを感じるような柔な自分であってはならない、とにかく頑張ることが自分の価値を高めることになるのだ。
がむしゃらになることが自分の存在意義をみぎ出すことに繋がるのだ。
頑張れ、頑張れ、頑張れ。
そう自分に言い聞かせながら、僕はその後の十年間を疾風の如く駆け抜けた、輝かしい自分の未来を信じて。
そんな中、僕と同じチームの同僚の一人が、会社を辞めることになった。
理由は仕事を続けていく自信がなくなったから、ということだった。
僕以上に頑張る奴だったから、内心驚いた。
この先もずっとよきライバルになると思っていたから、なおさらだった。
同僚が辞める日、彼を飲みに誘った。
送り出してあげるという気持ちより、僕にとっては、不思議でならない彼の行動の真偽を確かめたかったからだ。
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これからどうするんだ?
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同僚:
分からない。
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転職先は?
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決まってない。
しばらく仕事に就くつもりはない__=1g____
え?
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バーのカウンターに並んで始めた会話は、すぐに途切れた。
戸惑っている僕の様子を見て、彼がぽつりと言った。
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分かってもらえないだろうな。
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だってあんなに頑張ったってじゃないか。
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だからなんだよ。
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どういう意味だ?
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頑張りすぎたからさ、もう疲れたんだ。
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疲れたって、もっと頑張れば。
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元気付けつもりで言った言葉を、彼がさいぎった。
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君は本当に強いんだね。
尊敬するよ。
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まるで哀れんでいると思う受け取れる口調に、ぜっくした。
言葉を返す気も失せ、会話もそれ以上は続かなかった。
しばらく黙って飲んでいたが、彼が帰ろうと言い出したので店を出た。
別れ際皮肉を込め、元気でなと声をかけたが、彼が曖昧な笑みを浮かべて去っていた。
彼の後ろ姿を見ながら、言いようのない怒りに似た感情がわいてきた。
何が尊敬するんだ。
頑張ったからこそ今の自分がある、それを放棄した人間にどこに言われるすじえはない。
あいつは負け犬だ。
あんなふうになってたまるか。
僕は明日からよりいっそう頑張ってやる、と自分に言い聞かせその場は後にした。
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それから暫くして、同僚の事もすっかり忘れ、仕事に打ち込んでいたある日、その時は突然訪れた。
最初は単なる風邪だった。
いや、そう思い込んでいた。
喉は腫れがひどい、めまいがする。
しかし、そんなことぐらいで仕事を休むわけにはいかない。
風邪薬を飲みながら、連日連夜に及ぶ徹夜作業に没頭した。
薬で一旦は回復する、しかし、無理がたたって、またぶり返す、また薬を飲む。
抗生物質もふくめ、薬の量は段々と増えていく。
これまでにも何度か体調を崩した事はあるが、薬を飲みながら仕事をしても、一週間もあればもとに戻る。
しかし今回は違った。
戻らないのである。
回復する兆しが見えない。
とうとう病院で点滴を受けてからでないと、仕事にも出られなくなった。
いったい体がどこに悪いのか、医師からは風邪をこじらせただの、過労だの、曖昧な答えしか返って来ない。
耳鼻科にも通い、超音波によるめまいの検査も行ったが、異常は認められなかった。
誰も明解な答えを出してくれないことに、僕があせり、恐怖感を抱いた。
ふと十年前の事を思い出した。
あの時の状況によく似ている。
自律神経失調症っていう言葉が、頭を過ぎる。
友人の勧めもあって、診療内科の門を叩いた。
精神安定剤と抗鬱剤を処方される。
自律神経にいい作用があると説明されたが。
この時点では、抗鬱剤に抵抗があった。
なぜ抗鬱剤が。
僕には自律神経と鬱の関係がまた理解できていなかった。
僕は鬱病なんかじゃない。
漠然と不安を抱えたままの半年が過ぎる。
毎日が無気力状態だった。
とにかくやる気が起きない。
いや、やる気を出そうにも、そのためのエネルギーが自分の中にない。
ボーとすることが多く、仕事でミスを連発するようになり、その度に上司にしっせきされる日々がつづいた。
僕はたた項垂れるばかりだった。
ある日のこと、所属する部署全体に関わる大きなミスを犯した。
実際は目の前に居る上司の怒鳴り声が遠くに聞こえる。
なぜこんなミスをした。
どう責任を取るつもりだ。
皆の前で土下座して侘びっても取り返しがつかない。
お前はもう首だ!
僕はたた呆然としていた。
大変なことをしてしまったという気持ちはある、でもどうしていいか分からない。
冷や汗がどっと出てきくる。
めまいがする。
また貧血が起きそうだ。
吐き気もする。
もう立っていられない。
いっそ死んでしまいたい。
もういい という上司の捨て台詞、僕が悪意としか受け取れない言葉を聞いてもなお、申し訳有りませんと頭を下げるのが精一杯だった。
ふらつきながら自分の席に戻ると、今度は同僚たちのささやき声が聞こえてくる。
以前はあんなに頑張っていたのに、人一倍仕事が好きだったのに、将来有望だったのに。
いや、元々怠け者だったんだ。
やる気たってあるように見せていたんだ、本当は適当な奴なんだるう。
実際に同僚たちがささやいてるかどうかさえ、もうよく分からない。
幻聴のような気もする。
でもきっとそう思っているのに決まっている。
皆がそういう顔で僕を見ている。
ふと耳元で声がした、その声は隣の席に坐っている後輩の女子社員のものだった。
僕が昔よく面倒見ていた彼女が小さな声で。
あの、頑張ってくださいと、僕はおもむろに席を立つと、そのままオフィスの出口へと向かった。
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廊下を歩いていると、止めてもなく涙があふれてくる。
身を隠すようにトイレに駆込むと、ドアを閉め、不覚にも嗚咽を漏らしてしまった。
頑張れと言われることが、こんなに辛いとは思わなかった。
頑張りたい自分がいる。
だけど頑張れない自分がいる。
一番頑張りたいのは僕なの。
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その夜だった。
悪寒がすると同時に。
ひどい頭痛が始まり、僕は布団の中でのた落ち回った。
目がぐるぐるまわる。
じっとしていても苦しい。
動いても苦しい。
居ても立ってもいられない。
僕は自分の居場所を探して、狭い部屋の中をはいずり回った。
震える手で熱を量ってみる、電子音が鳴って、恐る恐る体温計を取り出すと、平熱に過ぎないことに、逆にショックを受ける。
じゃ、一体この痛みは何なんだ。
このわれんばかりの頭痛はどこから来るんだ。
なぜめまいがする。
なぜ貧血が起こる・どうして吐き気が治まらないんだ。
助けて。
口の中で何度もそう呟きながら、一晩中眠ることもできずに、七転八倒しながらもだえ苦しんだ。
永遠に続くこと思われた夜に、終わりを告げる朝の小鳥の声を聞いた時には、僕はもう抜け殻のようになっていた。
突然鳴り出す目覚ましの音にびっくとする。
止めたくても体が動かない。
耳障りの音から逃げるように布団をかぶる。
出社しなければ、そう思うだけで、体が震え出す。
時間をおって電話のベルが鳴り出す。
会社からだ。
そう思ったら、今度は恐怖感に襲われる。
早く鳴り止んでくれと、心の中で叫びながら、じっとベルの鳴り止むのを待つ、そして静けさを戻った部屋で、僕はようやく眠りについた。
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三日間家を出なかった。
何度も鳴る電話に脅えながら、そして夜になると始まる苦痛に堪えながら、ひたすら時が過ぎるのを待った。
待つことで何かが変わるわけじゃない。
それは分かっていた。
たた静けさの中に身を横たえる時間が欲しかった。
四日目の朝、ようやく動けるようになった。
僕は十年前のあの総合病院に行ってみようと考えだ。
そこにさえ行けば、何とかしてくれるという思いからだった。
すべての症状を話した上で、精密検査を受けることになった。
血液、尿、レントゲン、MRI。
さまざまの検査を受け、結果を待った。
しかし、それは僕の期待を裏切るものだった。
どこにも異常はありません。
良かったですね。
良かった?
一体何が良かったっていうのだ。
どこにも異常が無ければ、この体の異変の説明がつかないじゃないか。
震える心を抑え、十年前にこの病院で、自律神経失調症の薬を処方してもらったことを説明すると、その分野はもう扱っていないという。
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そして最後に医師はきっぱり言った。
これはもう内科の域ではない。
診療内科に行きなさいと。
僕の体の異常は診療内科に差し戻された。
医師の前で、今回の状態と検査結果について報告すると。
薬を増やしましょうと言われた。
僕はずっと心に引っかかっていた事を口にした。
僕は、もともと心の弱い。
だめな人間なんじゃないでしょうか。
医師は一度首をひねてから、僕の目を見据えて言った。
あなたは病気なんです。
診療内科の帰り道、僕は呆然としながらとぼとぼと歩いていた。
頭の中を病気という言葉を駆け巡る。
そう、僕はこの時点でやっと自分の病気を認めた。
鬱病であると。
十年前はまだ鬱病という言葉が世の中に浸透しておらず。
内科の分野で解決できない病気を、自律神経失調症で片付けていた。
という事も後から知った。
僕は自分の病気を認識するのに、十年もの歳月を費やしていたのだ。
と同時に、自分の未来には、絶望しか待っていないことに気づいた。
だったら死んだ方がよっぽとましなのではないか。
そう言えば何年か前に、鬱病の知人がマンションの屋上から飛び降りた。
別の知人が薬の飲み過ぎで心臓麻痺を起し、滞在先のホテルで遺体となって発見された。
その時は同情こそすれ、まさか自分が同じ病気になるなんて、夢にも思わなかった。
頭の中は真っ白だった。
もう何も考えなれない。
考える力も残っていない。
鬱病という言葉を心の中で繰り返すうちに、自分がどこをどう歩いているのかさえ、分からなくなった。
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08不思議工房?
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自分のアパートに着いたつもりだった、よく似た木戸を開けると、中ががらんとした倉庫のようになっていて驚いた。
家を間違えたことがすぐに分かったが、一瞬目を奪われた。
倉庫の中央にある大机の椅子に、ちょっこんと坐っている、また小学生ぐらいの女の子の姿に。
女の子が絵本らしきものを眺めていたが、僕に気づくと、いらっしゃいませと言った。
意味が分からずに戸惑っていると、今度はご注文は、と聞いてきた。
ここは何かのお店なのか。
それにしても棚もないし、商品らしき物はどこにも見当たらない、不自然に思って、ここで何をしてるのと聞くと、お留守番をしているのという答えが返ってきた。
そしてまたご注文は?
と繰り返した。
なるほど。
おままことのつもりなんだと思ったが。
それよりもこんな所に一人でいることの方が心配になって、お父さん、お母さんはいつ帰ってくるのと聞いた、すると女の子は、お爺ちゃんの帰りを待っているのとだけ答えて、注文書と書かれている紙と鉛筆を差し出した。
そこに願いを書けという。
ここでは幸せを売っているとも言った。
願い?
幸せ?
ずいぶんふざけたおままごとだ。
口調に可愛げがないのもしゃくに障る、でもまあ、相手は子供なんだから仕方がない。
かと言って、今の僕にはそれにお付き合いする余裕もない。
家を間違えた自分の間抜けさにあきれ、反芻しつつ、じゃまた今度ね、と言って立ち去ろうとしたら、女の子は僕の顔を見ながらおもむろに、死にたいんでしょうと言った。
不意打ちを食らって僕が逆上した。
お遊びにしては行き過ぎている。
一体親はどんな教育をしているんだ。
こんな子供にまで馬鹿にされては、僕にはもう生きていくすべがない。
僕は苛立ちをあらわに注文書に、死なせてくれ、と書き殴り、これでいいんだろうと吐き捨てるように言ってそこを出た。
後ろから、後で請求書を送るから、ちゃんと代金を払ってねという女の子の声が聞こえ。
僕は木戸を思い切りぴしゃりと閉めた。
その際、木戸の横にある看板が目に入った。
荒っぽい筆文字で不思議工房と書かれてある。
それだけでも十分ふざけている気がして、いっそう苛立ちが募った。
何だそりゃ。
僕は吐き捨てるように言って、足速にそこを立ち去った。
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09絶望1FC'
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馬鹿馬鹿しい。
僕は歩きながらぼっそと呟いた。
本音を言えばあんな小さい子供に、心を見透かされたことに対しての言い訳だった。
子供だけじゃない、今の僕は誰からも馬鹿にされる存在なんだ。
あの女子社員だって、頑張って下さいと言いながら、心の中では僕を哀れんでいるだけに違いない。
そもそも僕は何のために頑張ってきた?
輝かしい未来って何だ。
結局は独りよがりの妄想に過ぎないじゃないか。
だったら生きていくことに何の意味がある?
何のために行かなければならない。
幸せ、か?
ふっと幸せを売っているという少女の言葉を思い出した。
誰だって幸せになりたいに決まっている。
僕だってそうだ。
心底幸せになりたいと思う。
だとしたら、僕の幸せは一体どこにあるのだろう。
僕は本当に幸せになれるのだろうか。
そこまで考えて絶望した。
今の僕には無理、無駄という言葉しか思い行かばない。
生きる気力はとうにうせていた。
気づいたら、目の前を通り過ぎる電車を、ボーっと眺めている自分がいた。
ホームには人が溢れている。
しかし、僕は一人ぼっちでここにいる。
最初は気になった雑踏も消え、世界の中心にポツンと立っている自分の姿が浮び上る。
静かだ。
なぜかとても穏やかな気分になった。
こんな気分は久しぶりだ。
もう遠い過去、何も考えずに済んだ子供の頃以来のような気がする。
僕は静けさと平穏につつまれ、足を前に踏み出した。
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10葬式_H+Dv_-*i
読経と木魚の音が聞こえる。
ここは、自分が生まれ育った実家だ。
その玄関の前に僕が立っている。
何だか懐かしいにおいがする。
でもあの音は…喪服を着た人が出入りしているのはなぜ?
まさか誰か死んだのか。
おやじかおふくろか、 それとも妹か。
そんな話は聞いてないぞ。
一体誰が?
玄関を入っておおひろを覗くと棺があって、その側におふくろの姿が見えた。
その隣にはおやじが、そして妹がいる。
みんな一様に俯いている。
おふくろと妹がハンカチを目にやったまま、ときより肩を寄せ合っている。
親父は歯を喰いしばったまま険しい顔をしている。
僕ははっとして、祭壇の中央に飾られている写真に目をやった。
それは微妙な笑いを浮かべている僕の写真だった。
そんな。
これは僕の葬式なのか。
でも僕はここにいる。
そうは言っても自分の立っている位置は定かではない、親父に御袋に御袋に近づいていても、誰も気づいてくれない。
棺を見て仰天する。
そこには確かに僕の顔があった。
じゃその僕を見ている今の自分は一体何なんだ。
幽体離脱したとでも言うのか。
本当の僕は死んでしまったのか。
自問自答していると、おふくろが倒れた。
妹や何人もの人たちに抱えられて、部屋を出て行く。
そうだ、 おふくろは心臓が弱かった。
ひどい時には発作は治まらなくて、何度も病院に運ばれたことがある。
次に発作が起きた時には、命の保証はないと言われている。
救急車のサイレンの音が近づいてくる、妹が泣き叫んでいるが、音声のない映画のように、僕には声が届かない。
おやじも血相を変えて出て行く。
いけない。
このままでは僕のせいでおふくろが死んでしまう。
母さん!
動けない。
動こうとしても金縛りにあったかように、体の自由がきかない。
真っ暗で何も見えない。
ここはどこだ。
急にぼっという音が聞こえる、まわりの温度が上昇していくのが分かる。
めらめらと木の燃える音がする、前から後ろから上から、火が噴き出した瞬間に、 僕は全てを理解した。
ここは棺の中、そして火葬場。
誰か、助けて!
声にならない叫び、僕はここにいる。
どんなに叫ぼうとも誰の耳にも届かない。
一瞬で僕は炎に包まれた。
目の前を過ぎる激しい風と、けたたましい急ブレーキの音にわれに返った。
気づくと幾人もの人たちに体を支えられていた。
そのうちの一人が慌てた調子で言った、大丈夫ですか。
僕は気の抜けたようにその場に尻餅をつくと、暫く呆然とした、また別の人が、 大丈夫ですか、 と声をかけてきた。
すみません、めまいがしたもので。
それだけ言うのが精一杯で。
僕はふっと気が遠くなった。
目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。
白い壁をぐるりと見回し、自嘲とも安堵とも取れるため息をついた。
生きているのか。
僕は漠然とした頭の中で考えた。
あれは夢だったのだろう、それとも、生きて返ってこられたということなのだろうか。
何だかよく分からない。
でも自分が生きていることだけは間違いなさそうだ。
そう思ったら急に力が抜けたように、僕はまた眠りについた。
次に目が覚めると、警察官がやってきていろいろ聞かれた。
質問内容からおそらく自殺未遂と、思われていることはよういに分かった。
僕は急に貧血が起きて、とだけ答えると。
ご迷惑をお掛けしてすみませんと頭を下げた。
病院での検査結果も異常なしと出て、僕はその日のうちに返された。
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11頑張らなくていい6lW\-h`NG
帰り道、自殺、という言葉が何度か頭を過ぎった。
あの時の僕は本当に自殺しようとしたのだろうか。
本当に死のうとしたのだろうか。
いや、違う、そうじゃない。
確かに死ねば楽になるという思いはある。
でもあの時はただ単に前に足を踏み出せば、幸せが待っている。
そう感じたに過ぎなかったと思う。
それを世間では自殺と言うのかもしれないが。
公園差し掛かったところで、ふと夕日が目に入った、空をオレンジ色に染めながら、大きく霞んだかおであたたかく見守ってくれている。
なぜかそんな気がして、僕は公園に入り、ベンチに腰かけると、しばらくその夕日を眺めていた。
すると、夕陽の中に小さなシェードが入ってきた。
目を凝らすと小学生ぐらいの男の子だった。
ぎこちない歩き方でよたよたと前に進んでいる。
その先に母親らしき女性の姿が見えた、両手を広げ、こっちこっちと言って手招きしている。
男の子が必死にその人の元へと向かっている。
親子でリハビリをしているんだ。
とっさにそう思った。
事故か何かで足を怪我して、リハビリのために一生懸命歩いている。
僕の勝手な想像だったが、恐らくそう間違ってはいないだろうと思った。
僕はその光景にしばし目を奪われた。
必死に歩く男の子と、それを応援し、見守る母親。
頑張れ!
僕は何時しか拳を握り締め、そう呟いていた。
とその時 男の子が転んだ。
あ!
僕が声を上げると同時に母親が駆け寄った。
男の子はわあわあ泣いていた。
男を抱きしめ、優しく宥めている母親の声が聞こえてきた。
そんなに頑張らなくてもいいのよ。
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